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アプロママ特集
薬剤師のライフスタイル
2024.07.12
子育てのスタイルと事情で選ぶママ薬剤師の働き方 派遣・単発派遣・パートはどれが快適?
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子どもが幼稚園や小学校に通い始めて、手が空くようになったら、薬剤師として職場に復帰したいと考える方は多いでしょう。せっかく薬剤師の資格を持っているのですから、その強みを生かして復職したいと考えるのは当然のことです。
一方で、「子育てと両立できるか不安」「育児や家事を疎かにしたくない」と考える人も多いようです。今回は、子どもの年齢や子育てスタイルごとに、ママ薬剤師のおすすめの働き方を紹介します。
子どもの年齢によって働き方は変わる
自分にとって働きやすいスタイルを見極めることが快適に働く秘訣です。子どもは日々成長していくため、年齢によってママ薬剤師の働き方は変わってきます。大きく分けて次の4つの時期がポイントになります。
- 1歳前後で授乳が不要になった時
産休明けすぐ、つまり出産翌日から8週間(56日)を過ぎれば雇用してもらうことができます。ただ、受け入れてくれる保育園が少ないことに加え、調剤薬局には感染症の患者様もいらっしゃいます。自身の体力低下や子どもへの感染のリスクを考えると、1歳前後が最速の復帰タイミングといえます。
1歳前後になると受け入れてくれる保育園が増えるうえ、離乳食も進み、授乳は不要もしくはかなり少なくなっている人が多いでしょう。ママの体力負担も減り、ブランク期間も1年程度なため、即戦力としての復帰が可能です。
- 幼稚園や保育園に入った時
子どもが幼稚園や保育園に行き出すと、1日4~5時間は子どもと離れるという状況になる人が多くなります。この時間を利用して短時間のパートや派遣で働くという人が増えていきます。
気を付けたいのは、子どもの成長に伴う変化です。集団生活の最初の1年で、子どもはさまざまな感染症にかかります。「復帰したものの、頻繁に休みを取る必要があって心苦しかった」「職場で嫌味をいわれた」といった声も挙がっています。「家族の協力体制を作っておく」「病児保育に登録しておく」「子育てに理解のある職場を選ぶ」などの工夫も必要です。
- 小学校に入った時
帰宅時間が14時~15時ごろになり、1日6~8時間は働けるという人が増えてくる年代です。短時間パート・派遣で働くという人に加え、学童保育を利用してフルタイムのパートや派遣、または正社員として働くという人が多くなります。
働く親に配慮のある保育園と違い、参観日や面談など小学校の行事は平日に行われることが一般的です。年間予定である程度把握できますが、気軽にシフト交換や休暇申請ができる職場だと働きやすいでしょう。
- 中学生になった時
授業や部活で帰宅が遅くなるほか、長時間の留守番もできるようになるため、フルタイムのパートや派遣、正社員で働く人が増えます。子どもが土日も部活で出かけるなら、時給の良い土日に働くこともできるため、教育費をしっかりと稼げます。
短時間勤務をするならパートと派遣、どちらがお得?
パートも派遣も自分の好きな時間に働くことができる点は共通していますが、異なる点もあります。それぞれの働き方の特徴を比べてみましょう。
パート…家庭重視でバランス良く働きたい人向け
1日6時間、週4日勤務または1日4時間、週3日など、自分で働く時間や日数を選択することができます。原則として残業はなく、転勤もないため、育児と両立しやすい働き方です。休みも比較的取りやすく、長期間勤務することが可能。自分にあった職場に出会えれば、長く安心して働くことができるでしょう。
パート求人は数が多いため、自宅近くで職場を見つけやすく通勤時間を短縮できるのも魅力のひとつ。業務は調剤と投薬がメインとなり限定的なので、終業後に疲労困憊で家事も育児もできないといった状況にもなりにくいでしょう。
また、大手薬局チェーンを中心に研修制度も充実していることが多いため、ブランクが長いママ薬剤師におすすめです。
薬剤師の時給は高めですが、調整すれば扶養内に年収を収めることが可能です。パートの平均的な時給は2,200円程度なため、週3日、1日4時間程度なら年収は130万円以内に収められます。
このように、パート薬剤師はママにとってメリットが多く、倍率が高いのが現状です。ママ薬剤師に人気の9時~16時の時間帯は既に人手が足りており、求人が少ないことがあります。
また、パートにはボーナスが支給されないケースが多く、昇給額も少なめです。キャリアの面でも業務が限定的で、知識や経験が偏り、管理薬剤師などへのキャリアアップが難しくなることもあるようです。子どもが小さいうちはパートで働き、成長するにつれて正社員として働くことも検討してみましょう。
派遣…求人を紹介してもらえてサポートも受けられる
パートは自身で求人を探し、書類を作成して応募、その後に面接と一人で行う必要がありますが、派遣は派遣会社に登録するだけでOK。求人探し、条件交渉は派遣会社が行ってくれるため、負担を大幅に軽減できます。
また、就業中も派遣会社が定期的に面談をして状況を確認したり、人間関係のトラブルが発生したら代わりに交渉してくれたりとサポート体制も充実。自分に適した求人を紹介してほしい、サポートを受けながら働きたいという人におすすめです。
契約書で業務内容が明確になっているので、契約書にない業務を依頼されることはありません。契約書に残業ありと記載されていない場合、残業もありません。
パートより即戦力が求められるため、高めの時給が設定されているのも嬉しいところ。子どもが幼稚園や保育園の時はパートで働き、子どもにお金がかかりだす小学生以降は派遣に切り換えるというママ薬剤師も多くいます。
派遣は有期雇用のため、「職場が合わない」「人間関係に不満がある」と感じた場合は、契約を更新せずに職場から離れることができます。人間関係が深くなりにくいこともメリットといえるでしょう。
また、派遣として働いた後、正社員や契約社員といった直接雇用に切り換えることを前提にした紹介予定派遣という求人もあります。希望する場合は、派遣会社のキャリアアドバイザーに相談してみましょう。
派遣で注意しなければならない点は、最長でも3年までしか同じ職場で働けないこと。3年を超えた場合や、契約満了後に更新されなければ次の職場を見つける必要があります。次の職場が見つからなければ仕事がない待機期間が発生するだけでなく、短期間で職場を変えていくことにストレスを感じる人もいるでしょう。
仕事が見つからないリスクを避けるために、「求人数が多い派遣会社に登録する」「自分の強みを理解したキャリアアドバイザーがいる派遣会社を見つける」「対応できる科目や業務を増やす」といった工夫が必要です。
派遣の場合、基本的に昇給もボーナスもありません。契約が切り替わる際に派遣会社の担当者に相談し、時給が上がる求人や長期的な視野で見てキャリアアップが実現できそうな求人を紹介してもらいましょう。
また、業務は投薬と調剤がメインになり、幅広い業務を経験してキャリアアップというのはパート以上に難しくなります。投薬と調剤業務が好きで得意、投薬と調剤のスキルを高めたいという人は派遣が向いています。
単発派遣…都合の良い日だけピンポイントで働く
最短1日~短期間勤務できる派遣求人です。1日だけの求人や急募求人が多く、空いた時間だけ働きたい薬剤師に人気です。今は子育てがメインだけどスキルを落とさないために単発派遣を利用しているというママ薬剤師もいます。通常の派遣よりも高時給であることが多いため、効率良く稼げます。
単発派遣の求人を扱っている派遣会社は少ないので、希望する場合は派遣会社選びに注意しましょう。
子育てスタイルに合わせたおすすめの働き方
働き方の特徴がわかっても、自分にはどのような働き方が向いているのかはわかりにくいもの。子育てスタイルや希望に合わせたおすすめの働き方を紹介します。
ブランクが長い→研修が充実しているパートか、単発派遣
結婚や出産を機に薬剤師を辞め、子育てに専念している人も多いでしょう。保育園に入れず、やむを得ず退職した人もいるかもしれません。
薬剤師は国家資格であり、一度取得したら失効することはありません。そのためブランクがあっても復職は可能です。ただし、新薬の登場のほか医薬品医療機器等法(旧薬事法)の改正、2年に一度の調剤報酬の改定など、情報のキャッチアップが欠かせません。
自身で最新情報にアップデートする必要がありますが、職場でもフォローがあれば安心です。短期・長期の派遣は即戦力が求められるので、研修が充実しているパートか、単発派遣がおすすめです。
パートで年収を増やしたい→ドラッグストアや郊外店舗、人手不足の時間を狙う
同じパートでも業態によって時給は異なります。病院は安定しているものの時給は低め、調剤薬局、ドラッグストアの順で時給は高くなります。
ドラッグストアの時給が高いのは、調剤や第一類医薬品の販売といった薬剤師しかできない業務に加え、OTC医薬品をはじめとする商品の販売、品出し、レジ対応といった業務が加わるためです。
また、郊外の店舗や交通の便が悪いエリアも時給が高めになっています。通勤時間に大差がないなら、郊外の店舗を選んでみると良いでしょう。
ママ薬剤師には平日の9時~16時が人気の時間帯です。この時間は薬剤師が充足しているため時給が上がりにくい傾向があります。反対に土日祝日、17時以降は薬剤師が不足気味のため時給が高めに設定されています。夫をはじめとして子どもを見てくれる家族がいるなら、人手不足の時間を狙うことで収入を増やすことができます。
時給を上げたい→資格・スキルを身につけて時給交渉
パートは長く勤めてもなかなか時給は上がりませんが、認定薬剤師などの資格を取得すれば時給が上がることがあります。数多くある認定薬剤師のなかでも、研修認定薬剤師の単位はeラーニングや学会、セミナーの受講によって獲得できます。
研修認定薬剤師は「かかりつけ薬剤師」になるための要件でもあります。派遣の場合、資格があることで選べる求人が増えるほか、時給交渉が可能になります。
日曜日は休みたい→調剤薬局、スタッフが多いドラッグストア
土日は幼稚園や小学校が休みになるため、一緒に休みたいというママ薬剤師は多いもの。土曜日午前中は診療している病院が多いので難しいものの、日曜休診のクリニックは多いでしょう。日曜日を休みたい場合は、パート・派遣に関わらず日曜休みの調剤薬局の求人を選ぶことをおすすめします。
ドラッグストアは、土日に混雑するため休みづらい傾向がありますが、人数にゆとりがある店舗では土日に休める可能性が高まります。最低限の人数でシフトを組んでいる職場ではなく、人員にゆとりがある職場を選びましょう。
育児と仕事はきつい→家族の協力、子育て支援を大活用
ママが働く時は夫だけでなく、子どもにとっての祖父母といった家族の理解と協力が欠かせません。また、ファミリーサポートセンター、放課後児童クラブなどの地域の子育てサポート状況も調べておくと良いでしょう。子どもは小さいうちは頻繁に体調を崩します。病児保育の利用方法、登録なども済ませておくと安心です。
家、保育園、職場の移動時間を短くしたい→院内託児所がある病院の求人をチェック
大きな病院では女性の医療従事者が多いため、院内託児所が整備されていることがあります。保育園に寄ってから職場に行くと時間がかかりますが、院内託児所なら時間と手間を大幅に削減。急な発熱といったトラブルにもすぐに対応できます。
もう一人産みたい→産休・育休制度が整っている職場を選ぶ
職場の管理職の無知により、妊娠したら退職を促されたということもあるようですが、パートや派遣でも産休・育休を取得することは可能です。慣れた職場で復職することができれば、精神的な負担は軽減されますね。
ただ、派遣のような有期雇用の場合、育休は申請時点で子どもが1歳6か月までの間に契約が満了することが明らかでない場合のみ、つまり1歳6か月以降も契約が継続していることが取得の条件です。なお、単発派遣の場合、育児休業は取得できません。
ママ薬剤師の働き方について悩んだらアプロ・ドットコムに相談を
子育てに理解がある職場を自分で見つけるのは大変です。転職エージェントのキャリアアドバイザーに相談すれば、求人情報には記載されていない職場の雰囲気も把握しているため、理想の職場に出会うことができます。
薬剤師転職支援に25年以上の実績があるアプロ・ドットコムでは、これまで数々のママ薬剤師の転職相談に対応してきました。アプロなら、単発派遣の求人も豊富に扱っています。あなたにとって最適な働き方、職場を提案しますので、ぜひお気軽にご相談ください。