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アプロママ特集
求人トピックス
2024.10.15
薬剤師のパートの年収は高い?安い?正社員や派遣と比べてみました
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短時間、シフト制で働けるパートはママ薬剤師に人気の働き方です。ただ、子育てにはお金がかかるもの。収入面も忘れずにチェックしておきたいものです。今回はパートの年収について、正社員や派遣の年収と比べながら解説していきます。
目次
パート薬剤師の時給相場
時間帯、エリア、業態によって異なりますが、1,800円~2,500円程度です。午前中や9時~17時の時間帯は、ママ薬剤師だけでなく多くの薬剤師が希望するため時給が低めに設定されています。一方、時短勤務をしている正社員薬剤師もいなくなりがちな17時以降や土日祝日は、時給が高くなっています。
ひとり薬剤師になる時間がある求人も、時給が高めに設定されるケースが多いでしょう。ひとり薬剤師とは、薬局に薬剤師がひとりで勤務し、調剤、監査、薬歴記入、投薬といった一連の業務を行う薬剤師のことです。
人間関係のわずらわしさから解放され、多彩な経験が積めるというメリットはありますが、休憩や休みがとりにくいというデメリットもあります。突発的な休みが必要となるママ薬剤師は、働きにくいと感じるかもしれません。
エリアで時給を比較すると、都市部の時給が低く、薬剤師が不足しがちな地方が高い傾向があります。都市部でも駅から近い、交通の便が良いといった人気のある地域は、薬剤師が足りているので時給が低く設定されています。高時給をめざすなら交通の便が悪い店舗や郊外の薬局を狙ってみるとよいでしょう。
業態で比較すると、ドラッグストアの時給が最も高く2,000円〜3,000円程度。処方薬だけでなく、OTC医薬品の販売、接客、レジ、品出しなど多くの業務を担当するため時給が高くなっています。さまざまな仕事を経験してみたい薬剤師におすすめです。土日祝日や夜間も営業している店舗が多いため、高収入を狙う方は家族の協力を得て働いてみるのもいいかもしれません。
調剤薬局の平均時給は2,000〜2,500円です。総合病院の門前薬局、大手チェーン、個人薬局など、調剤薬局にもさまざまな種類があります。小さいお子さんがいるママ薬剤師には自宅近くで働ける薬局がおすすめです。
自宅近くなら通勤時間が短縮できるため、家事や育児にかける時間を十分に確保できます。お子さんの急な発熱・ケガ等で保育園や幼稚園から呼び出された場合にも、すぐに駆け付けることができるでしょう。また、大手チェーン薬局は研修制度が整っていることが多く、ブランク明けでスキルに不安がある薬剤師でも安心して復職できます。
病院の平均時給は1,800〜2,200円と、ドラッグストアや調剤薬局と比較すると低めで、外来患者への調剤や入院患者への服薬指導などが主な業務です。医師や看護師などの医療職とチームを組んで働くため、専門的な知識を身につけられます。
人数や体制が整っていることが多く、比較的有給が取りやすいといえます。院内託児所が設置されている病院もあるため、保育園への送迎時間を短縮したい人、自宅近くの保育園に入れなかった人も働きやすいでしょう。
派遣薬剤師の時給相場
パート同様、働く時間や日数を選ぶことができる派遣薬剤師。エリアによって時給に差はありますが、2,000円~3,000円程度が多いようです。忙しい職場や人手不足の緊急度が高い職場ではさらに時給が高くなります。
パートは非正規でも長期雇用が前提ですが、派遣は3ヵ月~半年の契約を更新しながら働くのが一般的です。また、法律により同じ職場で3年以上働くことができないため、職場をこまめに変わる必要があります。さまざまな職場や科目を経験してスキルを高めたい、深い人間関係を築きたくないという人におすすめの働き方です。繁忙期のみの求人、1日のみの単発求人などもあり、自由度の高い働き方ができます。
パートよりも時給が高いケースが多いため、短時間で効率的に稼ぎたいママ薬剤師に人気です。ただ、派遣は即戦力を求められるケースが多く、薬剤師としての高いスキルが必要です。ブランク明けで最新の薬学事情に詳しくない、調剤の経験が少ない場合は事前の準備が欠かせません。
また、条件を満たせば有給休暇を取得できますが、事前に働く曜日や時間が決められているため突発的な休暇はとりにくい傾向があります。お子さんの急な体調不良で突発的な休暇を取る可能性が高いママ薬剤師は、「家族の協力を得る」「病児保育やシッターの登録をすませておく」などの対策が必要でしょう。
正社員の年収相場
正社員は時給制ではなく月給制か年俸制が一般的であり、年齢や経験に応じて収入が上がっていきます。ボーナスや退職金が支給される職場が多く、収入面では最も優遇されています。
令和5年賃金構造基本統計調査において、正社員を中心とする一般労働者の薬剤師の年収は543万円。1~4年目までは490万円、10年~14年目までは588万円と、着実に年収アップしていくことがわかります。
さまざまな経験を積んで、かかりつけ薬剤師や管理薬剤師をめざすこともでき、キャリアの面でもメリットは大きいといえます。ただ、フルタイム勤務が一般的で、残業や転勤・異動は基本的に断れないなど、ワークライフバランスがとりにくいと感じるママ薬剤師は多いでしょう。
具体的に年収をシミュレーションしてみましょう
実際にパートではどのくらい稼げるのでしょうか。働く時間や日数はお子さんの年齢や本人の希望で変わってくるため、大きく2つのパターンで考えてみます。
1日5時間、週3日でバランスよく働きたい
お子さんが小さいママ薬剤師に多い働き方です。8時~13時、9時~14時といった時間帯で働ければ、幼稚園や小学校に行っている間だけ働くことも可能。収入よりも育児や家庭を優先したい、時給は低めでも自宅から近い職場を選びたいといったニーズも高いでしょう。
時給1,800円…月収 10.8万円 年収 129.6万円
時給2,000円…月収 12万円 年収 144万円
時給2,500円…月収 15万円 年収 180万円
1日8時間、週5日のフルタイムパート
お子さんが大きくなって時間に余裕ができたママ薬剤師に多いパターンです。フルタイムで働く点は正社員と同じですが、パートのため正社員より負担の軽い仕事が多かったり、残業や転勤・異動がなかったりと、パートのメリットを十分に活かしながら働くことができます。
月収では正社員同等の収入になる場合もありますが、ボーナスで差がつくため年収は正社員よりも低くなることが多いでしょう。
時給1,800円…月収 28.8万円 年収 345.6万円
時給2,000円…月収 32万円 年収 384万円
時給2,500円…月収 40万円 年収 480万円
パートならではのメリット
収入面では派遣や正社員に劣ってしまうパートですが、パートならではのメリットがあります。
ワークライフバランスがとりやすい
フルタイムで働く必要がないため、育児や家事の時間を十分に確保することができます。繁忙期には残業が発生しがちですが、パートは残業なしで帰れることが多いようです。1年を通じて生活のリズムが変わらないことはメリットといえるでしょう。
また、遠足や運動会、参観日といったお子さん関連のイベントがある場合、事前に相談すれば休みも取りやすく、プライベートを優先した働き方ができます。
長く同じ職場で働ける
大手チェーンで働く正社員の場合、数年単位で店舗異動をすることがありますが、パートは採用された職場から異動することは滅多にありません。万が一、異動する場合でも近隣の店舗であり、引っ越しを伴うことはないでしょう。派遣の場合、契約ごとに違う職場に移る必要があります。人間関係や環境を変えずに働きたいと思ったら、パートがおすすめです。
突発的な休みに対応してもらいやすい
お子さんが小さいと急な体調不良は避けられません。ママ薬剤師が仕事を休み看病をするケースが多いでしょう。企業側もパートは子育て優先で働くことに理解があるうえ、パートの業務量なら他の薬剤師で仕事を賄えることが多いため、正社員よりも突発的な休みに寛容な職場が多いようです。
ゆっくりと職場に慣れることができる
派遣は即戦力が求められ、簡単な説明を受けた後にすぐに業務にとりかかることがあります。一方、パートは長期雇用を前提としているため、派遣ほど即戦力を求められない傾向があるようです。「少しずつ職場に慣れていきたい」「ブランクがあるから不安」という人は、パートのほうが安心でしょう。
扶養内で働ける
パートなら扶養内で働き、世帯の手取り年収を増やしたいと考える人も多いかもしれません。薬剤師の時給は高いものの、調整すれば扶養内で働くことも可能です。
一方、パートにもデメリットはあります。希望する時間帯で働きたいと思っても該当する求人が少ないといった仕事探しの困難さを感じる人もいるでしょう。また、シフト調整が行われ予定していた日数で働けず収入が減った、ボーナスや退職金がない、もしくは少ないといった収入面の不満のほか、責任のある仕事を任せてもらえない、キャリアアップができないといったキャリア面の心配もつきまといます。
お子さんが成長すれば、働ける時間が増えるという人も多いでしょう。パートの期間はスキルを維持するためと割り切って、長い視点でキャリアを考えることが重要です。
扶養内で働くなら、1日何時間?週何日?
ママ薬剤師の年収によって、夫の扶養に入れるかが決まります。「〇円の壁」という言葉を見聞きしたことがあるかもしれません。この「〇円」を境に扶養に入れるか、扶養から外れるかが決まります。扶養内なら税金や社会保険料を自身で納める必要がないため、世帯の手取り収入が増加します。扶養には、税制上の扶養と社会保険上の扶養があり、影響が大きいのは社会保険上の扶養です。
・103万円の壁
103万円を超えると所得税が課されます。一概には言えませんが、年収104万円なら年間の所得税は約500円、年収105万円なら約1,000円です。自治体によって異なりますが、年収100万円を目安に住民税が課されます。夫の企業から家族手当が支給されている場合、妻の給与は103万円未満といった条件があるケースが多いため、確認が必要です。
・106万円の壁
次の5つの条件を全て満たした場合、年収が106万円を超えると自身で健康保険料や年金といった社会保険料を支払う必要があり、手取り額が大きく減少します。
・勤務している事業所の被保険者数が51人以上
・週の所定労働時間が20時間以上
・所定内賃金が月額8.8万円以上
・2か月を超える雇用見込みがある
・学生ではない
多くの場合、106万円を少し超えた程度となれば、世帯年収はママ薬剤師の年収が100万円だった時より少なくなります。
・130万円の壁
上記5つの条件に当てはまらなくても、年収が130万円を超えると誰でも扶養から外れます。130万円の壁を超えると手取り額が大きく減少し、年収130万円以内の時と同等、もしくはそれ以上と実感できる年収の目安はだいたい160万円といわれています。
ダメージが大きい106万円、130万円を超えないようにするための働き方の目安です。参考にしてみてください。
時給1,800円
1日5時間、週2日…年収 86.4万円
1日4時間、週3日…年収 103.6万円
1日5時間、週3日…年収 129.6万円
時給2,000円
1日3時間、週3日…年収 86.4万円
1日5時間、週2日…年収 96万円
1日4時間、週3日…年収 115万円
・時給2,500円
1日4時間、週2日…年収 96万円
1日5時間、週2日…年収 120万円
150万円の壁&201万円の壁
年収103万円を超えると配偶者控除から配偶者特別控除に切り替わりますが、配偶者控除と同じ金額を夫の年収から控除できるため、大きな影響はありません。しかし、150万円を超えると段階的に控除額が減っていき、201万円を超えると控除がなくなります。
手取り収入だけを見ると、扶養に入っていた方がお得と感じるかもしれません。しかし、扶養を外れることによって将来受け取れる年金額が増える、傷病手当金や出産手当金がもらえるといったメリットもあります。子どもが小さいうちは扶養内で働き、手がかからなくなってきたら扶養を外れて働くなど、長期的な視野を持つように心がけましょう。
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パート薬剤師の時給はエージェントが相場を踏まえて交渉することで、求人票に記載された時給より高くなる場合があります。「パートとして転職したい」「復職したい」というママ薬剤師のお問い合わせをお待ちしております。