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求人トピックス
2024.04.01
薬剤師の有効求人倍率と転職トレンド【2024年最新版】
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社会の変化が著しい昨今、転職市場にもさまざまな変化が起こっています。とくに社会を驚かせた新型コロナウイルス感染症の拡大は記憶に新しいでしょう。新型コロナウイルスはさまざまな職場に影響を与えました。
もちろん薬剤師も例外ではありませんでしたが、コロナ禍が終わり、薬剤師の転職市場には再び変化があります。どのように変化したのか、厚生労働省が発表した有効求人倍率の変化を追いながら、最近の転職トピックスを解説します。薬剤師の転職活動を成功させるために、ぜひ参考にしてください。
目次
薬剤師の有効求人倍率は回復傾向
まずは薬剤師の有効求人倍率を過去から現在まで見てみましょう。
厚生労働省の「一般職業紹介状況」によると、医師・薬剤師の2018年の有効求人倍率は5.84倍と高水準という結果でした。有効求人倍率は有効求人数を有効求職者数で割って算出されるため、5.84倍というのは薬剤師1人に対し5つ以上の求人があるということになります。多くの職場が薬剤師を求めていたことがわかるでしょう。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により薬剤師市場にも大きな変化がありました。日本中で受診控えが起こり、処方箋枚数が大幅に減少し、有効求人倍率は2021年10月には1.89倍にまで落ち込みました。なかには経営難に陥った薬局もあったようです。
2023年6月には有効求人倍率が2.98倍にまで回復したものの、コロナ禍前のような高倍率には届きませんでした。そして、2024年の2月の有効求人倍率は2.34倍となり、2023年よりも少し低くなっています。
とはいえ、2023年の全職種の平均有効求人倍率は1.20倍で、2024年2月も同じく1.20倍のままです。他職種と比べると薬剤師はまだ売り手市場であり、職場を選んで転職できる状況をキープしているといえるでしょう。
求人数が増えない要因
コロナ禍が終わったというのに、なぜ薬剤師の求人数は以前のように増えないのでしょうか。それは、薬局を取り巻く環境の変化が関係しています。
薬価差益と調剤報酬の改定により、薬局の経営は年々厳しさを増しています。薬の販売価格である薬価は国が決めていますが、仕入れ価格は医薬品卸と薬局など医療機関との交渉によって決定します。そして、薬局はそのふたつの差益を得ることで利益を出します。
かつては薬価と仕入れ価格の差が大きかったため、薬価差益が30%以上あった時代もありました。しかし、国による見直しが行われるたびに薬価は徐々に引き下げられており、薬価差益で大きな利益を上げることが厳しくなりつつあります。
また、調剤報酬改定が2年に1度行われており、対人業務への加算は増えているものの、全体としては改定ごとに報酬が下がることに。このように薬局経営は厳しくなる一方なので、新しい薬剤師を増やす余裕がない薬局もあるようです。
薬局経営が厳しくなればなるほど薬局は薬剤師の求人を増やすことができなくなり、以前のように有効求人倍率が増えない原因になっているのです。
2024年最新の転職トピックス
薬剤師の転職には以前ほどの勢いはないものの、他職種と比べればまだまだ薬剤師は転職しやすい職種です。ここからは、2024年最新の転職トピックスを紹介します。しっかり押さえて転職に備えましょう。
高齢化・医療の進化に伴うニーズが拡大
日本の高齢化はますます進んでいます。年齢を重ねれば医療機関にかかる回数が増えるため、薬剤師のニーズも高まっています。また、医療・医薬品の進化に伴い、薬剤師の専門性が高く評価されているのが現状です。
さらに、在宅医療の推進もあり、医療チームの一員として地域医療に貢献する機会も増加しています。薬を患者様の自宅に届ける「訪問薬剤師」の需要も高まっており、今後も拡大していく可能性があります。
そのため、患者様やそのご家族に薬の管理、薬剤情報の提供など、薬剤師が積極的にコミュニケーションをとる必要が増加。今まで以上にコミュニケーション力が求められる時代になってきました。今後のことを考え、今のうちにコミュニケーション力を高めておくと安心です。
労働環境の改善が促進
従来は男性薬剤師の割合が多かったものの、1974年には薬剤師の男女比率が逆転しました。2023年に国に届出をしている薬剤師数は323,690人です。男女別にみると、男性が124,183人(38.4%)、女性が199,507人(61.6%)と女性の比率が多い状況が続いています。
女性の薬剤師が増えた背景には、育児をしながら働けるよう労働時間の短縮、休暇制度の充実など、福利厚生の改善が関係しています。誰もが働きやすい環境が整いつつあると考えていいでしょう。働き方改革により、残業の上限を規制、年次有給休暇の取得義務、フレックスタイム制の拡充などが推進されており、今後はますます働きやすい環境が整っていく見通しです。
都市部や地方の地域差が拡大
大学の薬学部が多く存在する都市部は薬剤師が充足傾向にありますが、地方では慢性的に不足しています。その結果、地方では高年収求人が出るなど、地域差が拡大。多くの職種は都市部のほうが高収入の傾向ですが、薬剤師では状況が全く異なります。収入アップをめざす場合は都市部ではなく、人手不足の地方を狙うという選択肢もあります。
調剤薬局・ドラッグストアでの求人が増加
薬剤師が活躍できる場所は、調剤薬局、ドラッグストア、医療施設、製薬企業、行政機関、大学など多岐にわたります。そのなかで、現在最も多く薬剤師が働いているのは調剤薬局・ドラッグストアです。就業人数は年々増えており、1982年には4万人程度だったのに対し、2021年には約18万人まで増加。薬剤師の就業人数のほぼ半数を占めています。
ドラッグストアは、調剤の必要がないOTCメインの求人も多いのが特徴です。自宅近くで職場が見つかる、パート・アルバイトの求人が豊富、スタッフが丁寧に指導してくれるなど、ブランクがある方の復帰にもおすすめの職場です。
ただし、ドラッグストアではレジやお客様対応、商品の品出しといった医療関係とは異なる仕事をこなす必要があります。転職を考える前に、自分がそういった仕事に対応できるかどうかを考えておくようにしましょう。
知識のアップデートは必須
薬剤師が関連する法律や制度は日々新しくなっており、たびたび法改正されます。薬剤師として働き出したあとも、知識のアップデートを適宜しなければならないでしょう。ブランクがある場合に、慣れない科目が多い薬局に転職すると大きな負担がかかるため、注意が必要です。厚生労働省のホームページで最新情報を確認し、新しい仕事に備えておくとよいでしょう。
加えて、薬剤師として新薬の知識も学んでおく必要があります。作用機序が違う場合などは、何が異なるのか説明する必要があるため、しっかりと理解しておきましょう。
オンライン服薬指導
以前は対面での診療・服薬指導が当たり前でしたが、コロナ禍によってオンラインでの指導が浸透しました。コロナ禍が終わった現在もそれは続いており、今後もさらに加速することが見込まれます。そのため、薬剤師としての働き方とは大きく変わりつつあります。今後の変化についていけるよう、関連する法律、社会の動向などを注視しておきましょう。
薬剤師の仕事は多様化している
前述したように、薬剤師は調剤薬局や病院以外にも、さまざまな職場で働ける職種です。成長傾向にあるドラッグストア業界はもちろん、製薬会社の開発・研究職など、あらゆる職種で需要があるといえるでしょう。
認定薬剤師や専門薬剤師の資格を取れば、仕事の幅が広がるでしょう。正社員や契約社員、派遣社員、パートなど、働き方も多様化しており、自由に選べるようになってきました。
他の職種に比べて年齢に関係なく再就職しやすい
有効求人倍率からも、薬剤師は他の職種に比べて転職や再就職がしやすい状況であることがわかります。ここからは、薬剤師の40代の転職と60代の転職の現状を紹介します。
・40歳以降の転職
かつては誰でも転職しやすかった薬剤師ですが、近年は調剤経験や管理薬剤師経験などの経験が問われるなど、40代の転職は容易ではなくなりつつあります。現在は、経験やスキルが重視される時代になってきました。40代の薬剤師には管理職経験が求められるケースも増えています。また、ひとりで仕事を回せるような即戦力も求められます。40代以上の薬剤師が転職するには、転職希望先の求人情報を手に入れ、しっかりとした対策をとらなければなりません。
・60歳以降の転職
薬剤師は60代からの転職や定年後の再就職も可能な職種です。需要が高い職場のひとつがドラッグストアです。近年、調剤薬局を併設したドラッグストアが増加していますが、調剤不要のOTCメインのドラッグストアも増えており、調剤経験がない人でも働くことが可能です。
また、ドラッグストアは慢性的な薬剤師不足が続いているため、再就職できる可能性が高い状況です。ただし、ドラッグストアではレジや接客、品出しなど、医療関係以外の仕事をこなす必要があります。また、ドラッグストアの求人にはパートやアルバイトが多いため年収が減ったり、働き方が限定されたりする可能性があります。
40代と60代の両方にいえることですが、ひとりで転職活動を行うのが困難な場合は、転職サイトを活用するのがおすすめです。転職サイトを活用すれば、詳細な求人情報を手にいれることができたり、自分の状況にあった求人を紹介したりしてもらえるでしょう。おすすめは、薬剤師専門の転職サイトです。薬剤師専門のキャリアアドバイザーは、業界の最新の情報や求人の詳しい情報を把握しており、転職をスムーズに進めることができるからです。
薬剤師は転職しやすい職種
医療系専門職は一般的なサラリーマンに比べて転職回数が多い傾向にあり、薬剤師も例外ではありません。薬剤師の平均在職年数は約3年ともいわれており、複数回転職している人も多いのが特徴です。とはいえ、転職回数があまりにも多いのはデメリットにもつながるでしょう。ここからは転職を成功させるコツを紹介します。
・転職理由をしっかり伝える
転職回数があまりにも多い場合、採用担当者は「何度も転職した理由」を知りたいはずです。そのため、理由や経緯を説明し、長く働く意欲があると伝えることが必要になります。妊娠・出産、配偶者の転勤、介護などは受け入れられやすいので、状況が変わって働けるようになったことを伝えましょう。
人間関係が原因で辞めた場合はネガティブな印象を与えないよう、「キャリアアップをめざして」「新しいスキルを得たいため」など、ポジティブに言い換えることが大切です。
・職歴に一貫性を持たせる
職歴に一貫性を持たせることも重要です。キャリアプランがバラバラだと採用担当者に良い印象を与えることはできません。明確なキャリアプランを提示し、そのために今まで転職をしてきたことを伝えることがポイントです。また、求められている役割をしっかりと把握したうえで、培ってきた知識やスキルを新しい職場で活かせることをアピールしましょう。
・薬剤師の転職サポートを利用する
転職回数を重視して合否を判断する企業もあります。そのような職場の求人は、直接応募してもなかなか採用されないでしょう。外から見ても内情を知ることは困難なため、キャリアアドバイザーに相談するのもひとつの方法です。
経験豊富なキャリアアドバイザーは、それぞれの職場の内情や求人状況を把握しており、適切なアドバイスとともに希望にぴったりな転職先を提案してくれるでしょう。
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2020年時点で、調剤薬局数の店舗数は約6.1万件となっています。これは全国にあるコンビニエンスストアの約5.6万件を上回る数字です。これほどたくさんの薬局があるなかで、ひとりで理想の職場を見つけるのは大変です。
アプロ・ドットコムは、薬剤師の転職支援で25年以上の実績があります。マッチングの経験が豊富なキャリアアドバイザーが、個々の経歴や希望にあわせた職場を提案しています。
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