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2024.11.19

ママ薬剤師のお悩みに答えます!「正社員をやめてパートで働く」はあり?なし?

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収入が安定し、キャリアアップも実現できる正社員。しかし、「責任が重い」「フルタイムで働く必要がある」「残業や異動を断れない」など、ママ薬剤師にはデメリットもあります。

そのため、正社員をやめて短時間勤務ができ、ルーティン業務の多いパートで働くことを考えたことがある人もいるでしょう。今回は、パートで働くメリット・デメリットを紹介します。

正社員とパートの働き方の違い

まずは基本をおさらいしておきましょう。

正社員は企業に長期雇用を前提として直接雇用されます。将来的にマネジメント職に就くことが期待されるため、豊富な教育機会が提供されるほか、さまざまな業務の経験を積むことも求められます。月給制・年俸制で収入が安定しており、ボーナスや退職金を受け取れることが一般的です。収入の安定度が高いため、ローンの審査が通りやすいというメリットもあります。

一方、責任の重い仕事を任されるうえ、残業、異動、転勤は基本的に断れません。時短勤務やエリア限定の正社員制度を導入している企業も増えてきましたが、全ての企業で対応できているわけではなく、フルタイムで働くのが一般的です。

パートは非正規雇用ですが、長期で働くことを期待されて企業に直接雇用されます。シフト制の職場が多く、自分の都合に合わせて働く時間や日数を調整が可能。基本的に残業はないためプライベートと両立しやすく、育児に時間を割くこともできます。異動、転勤もないため、生活リズムが大きく変わることも少ないでしょう。

一方、時給制のため月収が安定しない点がデメリットです。シフトが少ない月、年末年始やゴールデンウィークなど休日が多い月は月収が減少します。ボーナス、退職金は支給されない職場が多いため、正社員と同等の仕事で同等の時間働いたとしても、年収ベースでは大きな差が出ます。責任のある仕事を任されにくいため、キャリアアップの実現も難しくなります。

パートで働くメリット

実際にパートで働くママ薬剤師は多いのですが、どのようなメリットがあるのでしょうか。

・育児の時間を確保できる

正社員はフルタイム・残業ありで働くのが一般的です。通勤時間が片道30分だとしても、8時間勤務なら休憩時間を含めると10時間を仕事に費やすことになります。残業が加わればさらに長くなり、子どもの世話をする時間が十分にとれないと感じる人は多いでしょう。

パートなら1日4時間程度の求人もあり、育児の時間を十分に確保できます。16時頃に仕事が終われば、保育園に迎えに行った後に落ち着いて夕食がとれるでしょう。保育料の無償化の対象にならない延長保育料が発生するケースも減らすことができるうえ、子どもが小学生なら習い事の送迎をすることもできます。

・勤務地が変わらない

店舗の異動があると通勤ルートや通勤時間が変わります。それに伴い保育園に預ける時間を変更する、生活リズムや家事の分担を見直すといった作業が必要になります。

パートなら基本的に店舗の異動はありません。常に同じ時間に出勤・退社ができ、生活リズムを大きく変える必要がないのはメリットといえるでしょう。特に子どもが小さいうちは職場と自宅、保育園が近くにあると通勤時間が短縮されるうえ、保育園からの急な呼び出しにも対応しやすくなります。

・仕事の負担が軽減できる

パート薬剤師は調剤・監査など調剤室内の業務が中心になります。ルーティン化された業務が多いため、仕事の負担は少ないといえるでしょう。また、時間が限られていることから在宅医療などを任されることは少なく、夜間・休日なども対応が求められるかかりつけ薬剤師になることもありません。

繁忙期などは終業時間になっても患者様が残り、残業が発生することがあります。正社員は残業をして対応しなければなりませんが、パートは定時であがれることが一般的です。

・円満退職しやすい

正社員は管理職候補という側面もあるため、退職時に強く引き留められることがあるようです。一方、パートは本人や家庭の都合で退職する可能性が高いことを理解したうえで採用されており、強く引き留められるケースが少ない傾向です。職場の環境が合わない、人間関係がうまくいかないと思ったら、スムーズに退職できるのもパートならではといえます。

正社員をやめるデメリット

パートで働くメリットはあるものの、正社員をやめるデメリットは意外と大きいものです。パートから再び正社員になることはできますが、正社員としての経験が積めない期間が発生するため、正社員を続けてきた人とは待遇や収入、キャリアの面で差が出てきます。

・給料や待遇が劣る

「同一労働同一賃金」の考えが浸透したことにより、正社員と同等の仕事をしているパートは時給換算すると正社員と大差がないことも増えてきました。しかし、正社員にはボーナスと残業代が加わるため年収ベースでみると大きな差が生まれます。

正社員には年次昇給があってもパートにはないケースが多く、あったとしても時給アップはわずかです。そのため、働いている年数の割に収入が増えていかないことにも苛立ちを感じる人もいるでしょう。

福利厚生も正社員のほうが充実しています。パートは条件を満たさなければ、勤め先の厚生年金や健康保険に入ることができません。また、住宅手当、家族手当といった法定外の福利厚生は支給されないことが多いでしょう。

・勉強不足になりがち

毎年100種以上の新薬が承認されており、2年に1度は調剤報酬の改定が行われます。質の高い医療サービスを提供するため、薬剤師は資格取得後も学び続けなければなりません。特に作用機序が異なる場合はしっかり理解しておき、患者様への説明をスムーズに行えるようにしておきます。調剤報酬の計算やレセプトの作成は事務専門のスタッフが対応してくれるとしても、理解しておくと良いでしょう。

ひとりで情報をキャッチアップするのは大変なため、多くの企業では勉強会が実施されています。ただ、勤務時間終了後に開催されるケースが多い傾向です。オンライン形式が増えてきていますが、子育て中のママ薬剤師は家族のサポートが必要になるでしょう。

企業によっては正社員だけが勉強会に参加でき、パートは参加できないことがあります。その場合は自分で研修に申し込んだり、e-ラーニング教材を探したりと手間が増えるだけでなく、研修や学会への参加費用が自己負担になることも多いようです。

・キャリアの幅が広がらない

パート社員は勤務時間が限られているため、どうしても仕事の幅が狭くなります。かかりつけ薬剤師になるための要件である週32時間以上の勤務を満たせないケースが多いほか、薬局長などのマネジメント職につくこともできません。

同じ仕事を長く続けることを単調に感じる、年下の正社員がキャリアアップしていくことを素直に喜べないなど、不満に感じる人もいるでしょう。

・有給休暇の日数が少なくなる

パートでも有給休暇を取得することができます。ただ、週の所定労働日数によって付与される休暇日数が異なるため、働く日数が少ないほど有給休暇は少なくなります。

たとえば週の所定の労働日数が5日の場合、雇用されてから6ヵ月が経過し、その期間の全労働日の8割以上出勤していれば10日の休暇が付与されます。しかし、週4日勤務なら7日、週3日勤務なら5日です。子どもの行事などで休みたいと思った場合、有給休暇が残っていなければ無給の休暇、もしくは欠勤扱いになるかもしれません。

なお、子の看護休暇は正社員とパートの取得日数に差はありません。対象は未就学児で、年間5日が付与され、未就学児が2人以上の場合は10日です。なお、1週間の労働日数が2日以下の人は対象外となり、有給か無給かは事業者により異なります。

・育休は取得できるが、扶養内パートなら給付金を受け取れない

産休は雇用形態に関わらず誰でも取得することができますが、育休の取得には「同一の事業主に雇用された期間が1年以上あること」「子が1歳に達する日(誕生日の前日)を超えて引き続き雇用されることが見込まれること」という2つの条件を満たす必要があります。

正社員は無期雇用のため、ほぼ確実に取得できるでしょう。育休復帰後の降格や不当な給与の減額は法律違反になるため、復帰後も同等のポジションで働くことができます。育休中は雇用保険から育児休業給付金が支給されるため、家計に与える影響は少ないといえます。

一方、パートの場合は契約期間に注意が必要です。育児休業給付金は雇用保険に加入していないと支給されないため、夫の扶養に入っている場合は受け取ることができません。なお、週の所定労働日数が2日以下の労働者は育休取得の対象者としないと労使協定で規定する企業が存在します。働く日数が少ない場合は職場のルールを必ず確認しましょう。

・解雇の際の優先順位が高い

薬局やドラッグストアが経営不振に陥った場合、勤務時間の調整や雇用整理が行われます。真っ先に影響を受けるのはパートや派遣であり、シフトの日数や働く時間を減らされたり、解雇されたりします。正社員を解雇する条件は厳しいため、最後まで雇用が守られる傾向です。

正社員をやめる?続ける?判断するポイント

悩んだら次の3つのポイントに着目し、総合的に考えて判断してみてください。

・子どもの年齢

子どもが小さいうちは手がかかりますが、成長とともに働く時間を増やせる人が多いでしょう。急な体調不良が多い未就学児や、ひとりで留守番をさせるのが不安な小学校低学年のうちは、融通の効くパートのほうが働きやすいと感じるでしょう。

一方、子どもが中学生以上になると授業や部活等で帰りが遅くなるほか、安心して留守番を任せられます。家計に占める学費の割合も大きくなるため、正社員になりしっかり稼ぎたいと考えるママ薬剤師が増えてきます。

同じ雇用形態で働き続けなければいけないわけではないので、子どもの年齢に合わせて柔軟に働き方を変えていくと良いでしょう。

・将来の目標

パートとして働いている期間もキャリアになりますが、正社員の仕事内容とは差が生じるため、キャリアアップのスピードは遅くなりがちです。キャリアアップを実現したいなら、正社員のまま時短勤務ができないか、やめる前に検討してみましょう。

育児・介護休業法により、3歳未満の子を育てている社員は、1日の所定労働時間を6時間に短縮できる短時間勤務制度を利用できます。企業によっては法律を超えて小学校入学まで、小学校3年生までなど、延長している場合があります。週5日の勤務でも1日6時間になれば、育児と両立しやすくなるでしょう。正社員で働き続けることによって、フルタイムに戻った際に重要なポジションをめざしやすくなります。

時短勤務中は短縮した分の給与は支払われないケースが多く、8時間勤務を6時間勤務にすると2時間分(25%)の給与がカットされるのが一般的です。しかし、正社員のままのためボーナスが支給されるほか、福利厚生も利用できるなど収入・待遇面ではパートより有利な状況です。

・パートとしてどのくらい働きたいか

子育てを重視したいため働く時間をセーブしたいと考えるママ薬剤師もいるでしょう。薬剤師の時給は高いものの、勤務時間・日数を調整すれば扶養内に収めることができます。

勤務時間は短くても働き続けることで薬剤師としてのスキルを維持できるうえ、扶養内なら世帯の手取り収入を増やすことができます。勤務時間や日数を増やすと扶養を外れますが、正社員よりも少ない負担でしっかりと稼ぐこともできます。

パートは自分の希望に合わせて、比較的自由に年収や働き方をコントロールできます。パートとして働くなら、どのくらいの年収を希望するのか、どのくらいの時間・日数で働きたいのか、自分なりの基準を明確にしておきましょう。

働き方に悩んだら「アプロ・ドットコム」にご相談ください

パート、正社員それぞれのメリット・デメリットはわかったものの、「まだ悩んでいる」「客観的な視点からアドバイスしてほしい」「自分の判断が正しいか不安」という人は、アプロ・ドットコムにご相談ください。

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