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薬剤師のライフスタイル

パート・アルバイトで働く

2024.10.08

パート薬剤師という働き方のメリット・デメリット

白衣の女性
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子育て中のママ薬剤師や、ブランクから復帰したい元薬剤師のなかには、正社員は責任が重く、勤務時間も長いため厳しいと考えている人もいるでしょう。とはいえ、せっかく取得した薬剤師という資格やこれまでのキャリアは活かしたいものです。であれば、働く時間や日数の調整が可能で、正社員のサポート業務が多いパート薬剤師として働くという選択肢はいかがでしょうか。

今回は、パート薬剤師という働き方のメリット・デメリットを徹底解説します。

パート薬剤師とは

パートタイム労働法により「1週間の所定労働時間が、同じ職場で雇用されている通常の労働者と比べて短い労働者」と規定されています。たとえば、正社員が週40時間勤務する薬局・店舗の場合、40時間以内の勤務ならパート薬剤師です。

派遣薬剤師もパート同様に働く時間や日数の調整が可能ですが、即戦力を求められる傾向があります。求人の内容にもよりますが、子育てを優先したいママ薬剤師、ブランク明けの元薬剤師はパートのほうが希望条件を満たすケースが多いようです。

パート薬剤師のメリット

薬剤師のパート勤務には、具体的にどのようなメリットがあるのか、詳しくみてみましょう。

ワークライフバランスを取りやすい

原則フルタイムで働くことが求められる正社員と異なり、パートなら働く時間や日数の調整が可能です。

そのため「子どもが幼稚園にいる9時~14時まで働きたい」「ブランクが長いから週2日からスタートして少しずつ仕事に慣れたい」「家事をする時間や子どもの習い事の送迎をしたいから週4日で働きたい」など、生活に合わせた働き方ができます。シフト勤務が多く、残業や急な出勤などは基本的にないため、ワークライフバランスを取りやすいといえます。

業務面でも調剤や投薬がメインとなり、責任の重い仕事を任されることは少ない傾向があります。そのため、仕事で疲れ切ってしまい、家事や育児をする体力や気力がなくなってしまうという心配も減らすことができます。

職場を変えやすい

企業が長期雇用を前提としている正社員となると、退職・転職は一大事です。だからといって、「職場の雰囲気や業務が合わない」「キャリアアップができない」と不満を感じたまま仕事を続けるのは精神衛生上も良くありません。

一方、パート薬剤師は、企業側もライフプランに合わせて退職する可能性があること理解して採用しています。そのため強く引き留められるケースは少なく、円満に退職できるでしょう。

パート薬剤師は求人数が豊富で、次の職場を見つけやすいのもメリットです。薬剤師が活躍する病院や診療所、薬局、ドラッグストアは交通の便が良いところ、人が集まりやすいところにあることが多いため、家の近くや通勤しやすい場所で職場を見つけられる可能性が高いといえます。

さらに、全国各地に職場があるため、夫の仕事の都合で引っ越しをしたとしても、新しい職場を見つけやすいでしょう。企業・薬局によって働き方が異なるため、さまざまな仕事を経験して自分にあった職場を探すこともできます。職場ごとの特徴を簡単にまとめましたので、参考にしてみてください。

パート薬剤師は、調剤・監査・投薬・薬歴記入がメインとなり、発注や在庫管理などを行わない職場が多いでしょう。深夜まで開局している薬局や夜勤・当直がある薬局は少ないため、子どもが保育園や幼稚園、学校に行っている間に働きたいママ薬剤師におすすめです。

薬剤師にしか販売できない第一類医薬品や要指導医薬品などを販売するのが主な仕事です。健康食品や化粧品などの販売のほか、健康や介護に関するさまざまな相談に対応するなど、お客様の生活をトータルにサポートできるという魅力があります。

品出しやレジ対応、POP作成、売り場のレイアウト作成など、ドラッグストアの一般的な業務を行うこともあり、小売業の経験も積むことができます。調剤薬局が併設されている職場では調剤薬局と同じ業務を行います。

ドラッグストアでは、土日や夕方から夜間の勤務が求められるのが一般的です。特に夜間の勤務は高時給のため、家族の協力を得て夜間に集中して働くママ薬剤師もいます。

パート薬剤師は外来を担当することが多い傾向です。入院患者様の業務を行う場合、注射剤の混合といった専門的な業務の経験を積めるほか、医師や看護師とチームとなって患者様のケアにあたるといったチーム医療の経験も積めます。

医療従事者のために託児所が完備されている病院も多いため、保育園へ送迎する時間を短縮できるというメリットもあります。また、地域の保育園に入れなかった場合でも仕事を始めることができます。

時給が高め

薬剤師は業務独占資格のため、他職種と比較すると時給が高めです。地域や職場によって差はありますが、令和5年の賃金構造基本統計調査によると、短時間労働者の薬剤師の全国平均時給は2,845円です。全職種の短時間労働者の時給が1,412円のため、薬剤師の時給が十分に高いことがわかるでしょう。

なお、短時間労働者にはパートだけでなく派遣も含まれるため、パートのみの時給ではありません。求人ベースでみると、パート薬剤師の時給は1,800円~2,500円です。時給2000円の場合、週3日、1日4時間働いた場合でも年収は115万円になります。週4日、1日6時間勤務なら、年収は230万円になります。さらに高時給を狙うなら、深夜勤務や夜勤、土日・祝日勤務がおすすめです。

薬剤師の時給の特徴として、都市部よりも地方の時給が高いことが挙げられます。都市部の薬学部を卒業した後そのまま都市部で就職する薬剤師が多く、地方は慢性的な人手不足に陥りがちです。また、処方薬は薬剤師しか扱えないほか、1人の薬剤師が1日に扱う処方箋の目安は40枚とすると省令で定められており、企業は高時給を提示してでも人材を確保したいと考えているためです。

薬剤師が集まりにくい交通の便が悪い薬局・ドラッグストアなども時給が高い傾向です。郊外の職場を狙ってみると高時給なうえ、通勤ラッシュに巻き込まれないというメリットもあります。

業態別でみると、品出し、レジ対応といった小売業の業務も行うドラッグストアの時給が高めに設定されています。

時間の融通が効く

フルタイムで働く必要がないため、「週3日」「土日のみ」「午前・午後のみ」など、比較的自由度の高い働き方を選ぶことができます。求人情報に勤務時間が記載されているため、希望の条件にあった仕事を見つけやすいでしょう。

「雇い入れの日から6ヵ月が経過」「その期間の全労働日の8割以上出勤」という2つの条件を満たせば、パートでも有給休暇を取得できます。シフト制で働く曜日が決まっていたとしても、その日に保育園や幼稚園、学校の行事等で休みを取りたい場合、事前に相談すれば有給休暇を取得できます。

小さい子どもがいるママ薬剤師は、子どもの急な発熱や病気、けがにより突発的な休みをとらざるを得ないことがあります。パートの業務量なら他の薬剤師で仕事を賄えることが多いため、正社員よりも突発的な休みに寛容な職場が多いようです。

また、子育てに理解のある職場やママ薬剤師が多い職場ならフォロー体制が整っていることが多く、大手チェーンでは、近隣の店舗からスタッフが応援にくることもあります。

パートなら扶養の範囲内で働きたいと考える薬剤師もいるかもしれません。パート薬剤師の時給が高いため扶養内で収めるのは難しいものの、勤務時間を調整すれば実現可能です。

残業が少ない、職場の異動や転勤がない

正社員は残業が発生した場合、基本的に対応しなければなりません。一方、パートなら残業がないことが多く、あっても少なめのところがほとんど。冬から春にかけて多くの職場では繁忙期になりますが、パートは年間を通じて働く時間が変動しないため、ワークライフバランスがとりやすいといえます。

異動や転勤に関しても、正社員は辞令が出たら基本的に断れません。大手チェーン薬局やドラッグストアでは数年単位で異動をすることもあります。しかし、パートなら採用時の職場から異動することは滅多にありません。

異動があったとしても近隣の店舗であり、引っ越しを伴うような異動はありません。生活の拠点を変えたくない、子どもの転校の心配をしたくないという人におすすめです。

パート薬剤師のデメリット

メリットが多いパート薬剤師ですが、次のようなデメリットも存在します。

キャリアアップや昇給が期待できない

勤務時間が限られるため、責任を伴う業務を任せられることが少なく、かかりつけ薬剤師の要件である週32時間以上の勤務という条件を満たせないケースが多くなりそうです。かかりつけ薬剤師が行える24時間対応や在宅医療などを任されることはなく、投薬、調剤、監査など調剤室内の業務が中心となります。

また、同じ店舗で働き続けると、同じような業務が続き、飽きてしまうという人もいるかもしれません。パートのまま管理薬剤師やエリアマネージャーといった役職に就くことも基本的にありません。

薬剤師はパートでも時給が高いため、フルタイムで働けば正社員と同等の月収を手にできることもあります。ただ、昇給がない、あったとしても昇給額がわずかという職場が多いので、正社員のように勤務年数に応じて年収が増えていくということはありません。また、ボーナスや退職金も期待できません。

企業に研修などの制度があったとしても、対象は正社員のみであることが多く、パートは限定的、もしくは受けられないケースが多いものです。

「将来はマネジメント職に就きたい」「徐々に年収を上げていきたい」と考えている人は、「仕事と家庭のバランスがとれるようになってきた」「子どもが成長して手がかからなくなった」など、タイミングをみて正社員への転職を視野に入れるとよいでしょう。

雇用が不安定な場合も

派遣のような3年ルールがなく、同じ職場で長く働けるパート薬剤師ですが、企業の業績が悪くなった際に、真っ先に人員整理の対象になるのはパートやアルバイトです。解雇にならなくても、働く時間や日数が減る可能性は十分にあります。

実際にコロナ禍では受診控えが起こり、経営難に陥った薬局では正社員の雇用を守るため、パートの日数や時間が減少することもありました。とはいえ、正社員だから雇用が保証されるというわけでもありません。雇用形態に関わらず、スキルや経験を評価される薬剤師をめざしましょう。

パートでの仕事ぶりが評価されれば、正社員に登用されることもあります。長く働きたい人、いずれはキャリアアップしたい人は、企業や求人を選ぶ際に正社員の登用実績を確認しておきましょう。

福利厚生に制限がある

パートは直接雇用されていますが、企業が提供する福利厚生は正社員とパートでは異なります。特に家賃補助や家族手当、健康診断補助や保養所の利用といった法定外の福利厚生には制限が設けられているケースが一般的です。
社会保険、健康保険といった法定の福利厚生も、パートでは加入条件を満たさないことが多くなります。

長期的な視野でキャリアプランを考えることが重要

メリットも多いパート薬剤師ですが、仕事が単調になりがちなほか、勤続年数に応じて収入が上がらないというケースがあるのも事実。ママ薬剤師の場合、お子さんの成長につれて、働ける時間や業務内容は変わっていきます。

「扶養内に抑えたいので、ずっとパートで働きたい」「パート、契約社員、正社員と少しずつ勤務時間や業務量を増やしていきたい」「子どもの手がかからなくなってきたら正社員になってバリバリ働きたい」など、キャリアプランは人それぞれ。長いキャリアのなかでパート薬剤師として働く目的・期間を明確にしておくと、快適にパートとして働けるでしょう。

パート薬剤師の求人は「アプロ・ドットコム」で探しましょう

子育て中のママ薬剤師やブランクがある薬剤師と相性が良いパート薬剤師。ただ、希望の勤務地、勤務条件にあった求人を自ら探し出すのは大変です。特に、お子さんが小さいうちは求人をチェックする時間の確保も難しいかもしれません。

自分ひとりで転職活動を続けるのは難しいと感じている方じは、薬剤師業界の転職支援に25年以上の実績がある「アプロ・ドットコム」にご相談ください。正社員だけでなく、パートの求人も数多く扱っており、希望の条件を伝えれば、経験豊富なキャリアアドバイザーが希望に沿った求人を紹介します。

「ママ薬剤師活躍中」と求人情報にあったとしても、実際にどのくらいの人数のママ薬剤師がいて、どのように活躍しているかはわからないものです。アプロならキャリアアドバイザーが企業の事情を把握しているため、詳細な情報をお届けできます。まずはお気軽にご相談ください。