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派遣の基礎知識
2025.04.11
派遣薬剤師で失敗しないために人材派遣会社に聞いておきたいこと

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派遣薬剤師として働き始めたものの、「こんなはずじゃなかった」と感じたことがある人もいるでしょう。原因は派遣のルールを知らなかった、自分のスキルが求められていたものと違ったなど、さまざまです。
失敗しないためには事前の情報収集が大切です。ここでは、派遣のルール、派遣薬剤師に求められるスキルと失敗しないためのコツを紹介します。
目次
派遣のルールは正社員やパートとは異なる
派遣は自由度が高い働き方ですが、正社員やパートと異なる点が数多くあります。何も知らずに派遣として働き始めると、「思っていた働き方と違う」「理想の働き方ができなかった」となりがちです。まずは、派遣の基本的なルールを把握しておきましょう。
・雇用主
派遣は派遣会社に登録して、派遣先で働きます。正社員やパートは就業場所が雇用主ですが、派遣は派遣会社が雇用主です。具体的な業務の指示は派遣先が行うものの、給与や残業代は派遣会社から支払われます。
・働く時間、日数を自分で選べる
正社員はフルタイムで働くことを求められるのが一般的です。一方、パートや派遣は1日4時間×週3日、1日5時間×週3日など、自分にあった働き方を選ぶことができます。子育てや介護、資格取得のための勉強、推し活などと両立しやすい働き方です。
・時給制が一般的
正社員は月給制や年俸制が一般的ですが、派遣やパートは時給制が多いでしょう。派遣はパートよりも即戦力が期待されるため、時給が高く設定されています。短時間で効率よく稼げますが、祝日が多い月、年末年始など働く日数が少ない月は月収が減少するなど、収入が安定しません。また、ボーナスや退職金が支給されないケースが多いようです。
・業務内容が限定的でキャリアアップが難しい
派遣は契約書に記載の業務のみを行います。就業前に契約書を確認し、合意してから仕事を始めるため、事前に仕事内容の把握が可能。派遣薬剤師は調剤・投薬が中心となるのが一般的です。
正社員のように医薬品の管理や疑義紹介、シフト管理やスタッフの教育などをすることはありません。将来、店舗経営やマネジメント業務を中心に行いたいと考えている場合、派遣薬剤師で長く働いてもスキルが身につかない可能性が高いといえます。
一方、得意な業務だけを行って苦手な業務を避けたい、経験豊富な科目だけを担当してスキルを伸ばしたい、煩わしい雑務を行うことなく業務に集中したい人には、派遣がおすすめです。
・働く場所は調剤薬局・ドラッグストアがメイン
病院やクリニックで派遣薬剤師が働くことは、紹介予定派遣、産休代替派遣以外、法律で禁止されています。そのため、派遣薬剤師は調剤薬局やドラッグストアで働くことになります。調剤薬局では調剤や投薬をメインに行い、ドラッグストアでは調剤のほか、OTC医薬品の販売、レジ打ち、品出しを行うこともあります。
派遣として病院で働きたいと思ったら、最長6ヵ月働いた後、直接雇用への切り換えが前提の紹介予定派遣や、産休代替派遣を選びましょう。
・契約期間がある
派遣薬剤師は契約期間が決まっている「有期雇用契約」です。 基本的には同じ派遣先で勤務できるのは、最長でも3年。これは労働者派遣法で定められており、「3年ルール」と呼ばれています。ただ、契約期間が3年の求人は少なく、実際には2~3ヵ月の契約を繰り返し更新していくのが一般的です。派遣先の都合により、契約を更新されないこともあり、3年間同じ職場で働けるケースは多くありません。
正社員は無期雇用のため、定年まで働くことが可能。パートも有期雇用が多いですが、2~3ヵ月で契約終了となるケースは少ないでしょう。
同じ職場で長く働きたい人にとっては、派遣はストレスが溜まる働き方かもしれません。しかし、短期間で数多くの職場を経験したい、同じ職場で働いていると飽きてしまうという人には派遣が向いています。
また、契約期間が明確であることを利用して、短期間集中して働いて海外旅行に行く、子どもたちの幼稚園や学校がある期間に働いて、夏休みなどの長期休暇は一緒に休むといった自由度の高い働き方もできます。
・次の仕事が見つからないことがある
派遣社員が契約更新を希望しても、派遣先が希望しなければ、契約期間満了とともに仕事は終了。次の仕事を探さなければなりません。派遣会社の担当者が次の仕事を紹介してくれますが、時給、勤務時間、勤務地、仕事内容、応需科目、職場の雰囲気など、全ての希望を満たした求人に出会えるとは限りません。次の仕事が見つからなかった場合、働いていない期間の給与は支払われません。
派遣会社に採用される無期雇用派遣では、待機期間中も給与が支払われます。しかし、求人の多くは派遣会社に登録して派遣先で就業する登録型派遣のため、派遣は無収入の期間が発生するリスクが高いと働き方といえます。派遣は高時給だから高年収になると期待していると、予想と異なる結果になるかもしれないので、注意が必要です。
・かけもちも可能
正社員の場合、副業禁止になっている職場が多いようです。また、管理薬剤師や公務員薬剤師は、法律によって原則として副業が禁止されています。
一方、副業が禁止されていない職場の正社員、パートや派遣は副業(かけもち)をすることで収入アップが実現できます。特に派遣なら働く時間・日数が決められているので、かけもちがしやすいといえます。
たとえば、週4日で働きたいけれど、勤務地、時給等の条件があっているのは週2日の求人だった場合、月曜・火曜はA店舗、木曜・金曜はB店舗といった働き方もできます。
希望にあう求人が見つからない場合、かけもちもOKと派遣会社の担当者に次の仕事が見つからないリスクを下げることができます。
・昇給が期待できない
派遣薬剤師の時給は3,000円前後のため、1日8時間×週5日働くと月収は48万円、 年収は576万円と、正社員並みの収入を手にできます。ただ、働く期間が短いため、契約更新のたびに時給アップとはならないでしょう。
時給アップを狙うなら、派遣会社の担当者に今よりも高時給の求人を紹介してもらう必要があります。ただ、高時給の求人は倍率が高い、求められるスキルが高いこともあり、必ずしも高時給で働けるとは限りません。
正社員は年次昇給していく可能性が高いため、年齢を重ねるにつれて派遣社員と正社員の年収差は開いていきます。正社員をベースにした生涯年収で考えていると、「思っていったよりも稼げない」と感じるでしょう。
・有給休暇は取得可能
派遣社員でも条件を満たせば有給休暇を取得できます。派遣先から「派遣は有給休暇を取得できない」と言われた場合、派遣会社に必ず相談してください。条件を満たしているのに有給休暇を取得させないのは、法律違反に該当します。
これからの派遣薬剤師に求められる人物像&スキル
より良い職場で働き続けるためには、スキルを高めておく必要があります。これからの派遣薬剤師に求められる人物像&スキルを3つ紹介します。
・コミュニケーション力
2015年に厚生労働省は「患者のための薬局ビジョン」を発表。薬剤師は調剤などの対物業務から投薬や服薬指導、健康相談といった対人業務へのシフトが求められるようになりました。特に派遣社員は投薬を任されることが多いため、高いコミュニケーション力で患者様に寄り添った服薬指導ができると、評価が高まるでしょう。評価が高ければ、契約を更新してもらえる可能性も高まります。
・自ら学ぶ姿勢
医薬品は日進月歩のスピードで進化しています。薬剤師資格は一度取得したら更新は不要ですが、医薬品情報のアップデートは欠かせません。自ら最新の医薬品情報を収集する、派遣先や派遣会社で行われる研修に参加するなど、自ら学ぶ姿勢が求められます。
2016年4月の診療報酬改定からスタートした、かかりつけ薬剤師にも注目です。かかりつけ薬剤師は、薬物治療や健康・介護などの豊富な知識を持ち、患者様のニーズに沿った相談に応じられる薬剤師のこと。超高齢化社会で在宅医療が増えている今、在宅医療を推進できる「かかりつけ薬剤師」のニーズが高まっています。
かかりつけ薬剤師になるための条件のひとつに「研修認定薬剤師の認定を受けていること」があります。研修認定薬剤師になるためには、一定の期間内に定められた研修制度の単位を取得しなければなりません。薬事関連法規・制度、倫理、基礎薬学、医療薬学、衛生薬学など、学ぶ内容は多岐に渡ります。
派遣薬剤師の多くは勤務年数や在籍年数の条件を満たせないため、かかりつけ薬剤師になれません。しかし、派遣として働いている間に研修認定薬剤師の認定を受けておけば、将来のキャリアが大きく広がります。特に、残業無し求人が多い派遣なら、勉強時間を確保しやすいでしょう。
・臨機応変な対応力
派遣は穴埋め人材として募集されます。たとえば、繁忙期で人が足りない、急に正社員やパートが辞めてしまった、在宅業務が軌道にのるまで調剤・投薬を任せられる人が欲しいなど、一時的な人員不足のサポートが目的です。
派遣先としては、薬局や店舗の独自のルールを教えたら、すぐに働いてもらいたいと考えています。特に投薬なら、科目ごとの特徴はあるものの、薬局や店舗によって大きな差はありません。
派遣初日からすぐに働ける、わからないことがあったら周囲の薬剤師に自分から質問できる、新しい職場のルールに柔軟に対応するといった臨機応変な対応力が求められます。
派遣薬剤師で失敗しないために派遣会社に聞いておくこと3選
派遣の仕事内容は求人や契約書でおおよそ理解することができますが、派遣会社の担当者はさらに詳しい情報を持っています。できるかぎり多くの情報を集めて、自分にあった職場を見つけましょう。
・1日の処方箋取り扱い枚数
求人に薬局での1日の処方箋取り扱い枚数が記載されているケースがあります。在籍する薬剤師の人数と処方箋枚数を見れば、おおよその忙しさが予測できます。
厚生労働省令では、薬剤師1人が扱う処方箋枚数は1日平均40枚と目安が示されているため、40枚より多ければ忙しいと判断できます。ただし科目によって1枚あたりの負担は異なるうえ、自分の得意科目かどうかも大きく影響します。自分の得意科目や経験を伝え、実際の忙しさはどうなのか、派遣会社の担当者に確認しておきましょう。
・派遣薬剤師の受け入れ実績
職場の雰囲気は、実際に訪れてみないとわからないものです。自ら足を運んでみてもいいですが、派遣会社の担当者に派遣薬剤師の受け入れ実績、現在は何人の派遣薬剤師が活躍しているのかを聞いておきましょう。
受け入れ実績が少ない職場の場合、派遣への風当たりが強い可能性があります。派遣社員は契約期間が限られているため、職場の人間関係が少しぐらい悪くても、仕事の間だけと割り切って働ける人もいるでしょう。しかし、できれば気持ち良く働きたいもの。人間関係が不安な場合は、派遣受け入れ実績数が多い職場がおすすめです。
派遣受け入れ実績数が多い職場は、これまで働いてきた派遣薬剤師が多いということ。派遣会社には実際に派遣で働いた薬剤師からの口コミが溜まっているうえ、派遣会社と派遣先との信頼関係もできあがっています。良い雰囲気の職場で働きたい場合は、必ず確認してください。
・求められるスキルのレベル
失敗したと感じる理由のひとつに、「求められるスキルと自分のスキルが一致しなかった」が挙げられます。派遣はすぐに患者様の前に出て働かなければならないため、スキルが不足していると自分も患者様も派遣先の薬剤師もストレスが溜まります。自分の経歴やスキルを客観的に伝え、求められるスキルに合致しているかを確認しておきましょう。
スキルが不足していると感じたら、未経験歓迎の求人を紹介してもらう、派遣会社の研修やeラーニングを受けてスキルアップをしておきましょう。派遣会社によって研修内容は異なるため、研修が充実している派遣会社を選ぶことが大切です。
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