スタッフブログ
薬剤師の仕事・働き方・キャリアに関するトピックスから、最新の薬剤師求人、派遣や単発派遣に関する法律やルールまで。薬剤師の最新事情に精通したアプロ・ドットコムのスタッフが、就職・転職に役立つ記事を配信いたします。
派遣の基礎知識
2024.10.11
派遣薬剤師でも産休・育休・有給は取れる!取得条件と期間をチェック
- 薬剤師
- 派遣
- 働き方
- 求人
- ブランク
- 育休
- 産休
- 有給休暇
派遣薬剤師として働くことを初めて検討する人や、現在、産休・育休に関する知識がない人でも、将来的に子育てと仕事を両立したいと考えている人はいるでしょう。「正社員は産休や育休が取れるけれど、派遣薬剤師は取れないのでは?」と思っている人も多いかもしれません。しかし、実は派遣薬剤師は他の雇用形態と同じように、産休や育休の制度を利用することができます。
今回は、産休・育休・有給制度の概要や取得条件、期間、注意点などを解説します。産休・育休中にもらえる給付金についても説明するので、ぜひ参考にしてください。
目次
派遣薬剤師の産休制度の概要
派遣薬剤師は「産前休業」「産後休業」の2種類の産休を利用できます。産休は労働基準法によって定められた労働者の権利であるため、雇用形態に関係なくすべての労働者が利用でき、正社員だけの制度ではありません。特別な取得条件はないため、誰もが受けることのできる権利といえるでしょう。
産前休業
産前休業の期間は、出産前の6週間です。産前休業は必ずしも取らなければならないものではなく、希望者のみが取得できる制度です。人によって産前休業を取る人もいれば、取らずにギリギリまで働く人もいるため、自分の生活や体調に合わせて調整できます。なお、出産日当日は産前休業に含まれます。
産後休業
産後休業の期間は、出産日の翌日から8週間です。産後休業中は働くことが禁止されているため、労働者に働きたいという希望があったとしても必ず休まなければいけません。ただし、医師が認めた場合は、例外として産後6週間から働くことができます。
産休取得は派遣会社に申請する
産休を取得するためには、契約している派遣会社へ申請する必要があります。産前休業を取得したいと考えている場合は、出産予定日の6週間前までに派遣会社に連絡しておきましょう。
ただし、双子以上の場合は14週間前までの連絡が必要になります。産休取得のための手続きは派遣会社により異なるので、事前に確認しておくことが大切です。事前に相談することで、無用なトラブルを回避できるでしょう。
派遣薬剤師の育休制度の概要
育児休業の期間は原則として1年と定められています。しかし、周囲にはもっと長く育児休業を利用している人がいるかもしれません。実は、保育園が見つからない場合などは育児休業を1年6ヵ月に延長できるようになっています。延長してもなお見つからなかった場合は、さらに2年に延長できます。とはいえ、延長はずっとできるものではなく、最大で2年間となっており、延長には派遣会社への申請が必要です。
誰でも取得できる産休制度とは異なり、育休には取得条件があるので注意しましょう。取得条件は以下のとおりです。
・同一の事業主に引き続き1年以上雇用されている
・子の1歳の誕生日以降も引き続き雇用されることが見込まれる
・子が1歳6ヵ月(または2歳)に達するまでに、労働契約の期間が満了しており、かつ契約が更新されないことが明らかではない
まずは自分が条件をクリアしているかを確認してみましょう。
育休の延長を申請するタイミング
育休の延長を申請するタイミングは復帰の時期によって異なります。子どもが1歳になる前に復帰を希望する場合は、もともと予定していた育休終了日の1ヵ月前までに申請してください。
子どもが1歳または1歳6ヵ月になるタイミングで復帰したい場合は、当初予定していた育休終了日の2週間前までの申請が必要になります。
派遣薬剤師が育休中にもらえる給付金
産休・育休中は働いている時と同じように給料がもらえるわけではなく、代わりに給付金が支給されます。産休・育休に伴う給付金は「出産手当金」「育児休業給付金」「産休育休中の社会保険料の免除」などです。正社員だけではなく、派遣薬剤師も正社員と同じように給付金を受け取ることができます。
ただし、これらの給付の支給には条件があり、誰もが受けられるわけではありません。まず、派遣会社が社会保険・健康保険に加入している必要があります。また、配偶者の扶養に入っている人は出産手当金を受給できず、給付を受けるには派遣社員本人が健康保険に加入していることが必要です。
また、育児休業給付金の受給には、雇用保険に1年以上加入し、過去2年間のうち雇用保険に加入しながら11日働いた月が12ヵ月以上あることも条件です。そのほか、さまざまな条件があるため、詳しくは派遣会社に問い合わせるようにしましょう。
ここからは、「出産手当金」「育児休業給付金」「産休育休中の社会保険料の免除」について説明します。
出産手当金
産休によって給料がもらえない期間に健康保険から支給される手当。出産日以前42日~出産日後56日までの産休期間中が対象で、欠勤1日ごとに健康保険から標準報酬日額の2/3相当額が支給されます。
育児休業給付金
雇用保険に加入している人が育児休業を取得した場合に支給される給付金で、育休開始から給付が始まります。180日目までは休業開始前の賃金の67%、育休開始181日目から子どもの1歳の誕生日までは賃金の50%が支給されます。育休が延長になった場合は、子どもが最長2歳になるまで育児休業給付金を延長できます。
産休育休中の社会保険料の免除
派遣会社が年金事務所また保険組合に申し出ることで、被保険者である薬剤師本人の負担分と事業主負担の社会保険料が免除されます。社会保険料の支払いをしなくても、健康保険料と厚生年金を支払ったという扱いになります。
これらの給付金は派遣会社が保険に加入している場合のみに取得することができるものです。派遣会社に登録する前に保険に加入しているかどうかを必ず確認しておきましょう。
育休復帰後に受けられる制度
ここからは、育休復帰後に受けられる制度を3つ紹介します。
短時間勤務制度
派遣会社は、一定の条件を満たす3歳未満の子どもを育てる人のために、短時間勤務制度設けています。短時間勤務制度は原則として1日6時間になっています。短時間勤務制度の申請条件は以下のとおりです。
・短時間勤務をする期間に育児休業をしていない
・日々雇用される労働者でない
・1日の所定労働時間が6時間以下でない
・労使協定により適用除外とされていない
また、次の3つに当てはまる派遣薬剤師は対象外です。
・当該事業主に引き続き雇用された期間が1年に満たない
・1週間の所定労働日数が2日以下
・業務の性質または業務の実施体制に照らして、短時間勤務制度を講ずることが困難と認められる業務に従事している
子どもの看護休暇
小学校入学前の子どもを育てている場合、会社に申し出ることで年次有給休暇とは別に子どもの看護休暇を取得することができます。
1年につき5日間、子どもが2人以上の場合は10日間、病気やけがをした子どもの看護、予防接種・健康診断のために休暇を取得できるのが特徴です。ただし、申請には勤続6ヵ月以上かつ週の所定労働日数が2日以上必要になります。
育児時間
育児時間とは、授乳や育児のための時間を取れる制度のこと。基本的に1日に1時間程度の育児時間を申請することができます。利用するためには、派遣会社に相談して時間を調整し、申請書を提出する必要があります。
派遣薬剤師が産休・育休を使う際の注意点
産休・育休制度はいずれ復帰するための制度なので、取得する場合は復帰後のことを考えておきましょう。
復帰後に向けた勉強を欠かさない
医療業界は日々進化を続けているため、産休・育休から復帰した時に浦島太郎状態にならないようにしたいもの。
新薬が発売される、調剤報酬が改定されるなど、最新の状態をチェックしておくと良いでしょう。最低限の勉強しておくと、復帰後も安心して働き始めることができます。
ワークライフバランスを考えておく
子どもができると、今までとは時間の使い方が変わってきます。そのため、自分が将来どのように働いていきたいかを考えておくと良いでしょう。
配偶者の扶養に入るのか、扶養を抜けて働くのかなど、自分の生活の方向性を考えておくと安心です。
派遣薬剤師の有給休暇の概要
有給休暇は正社員の権利と思っている人もいるかもしれません。しかし、正社員ではなく派遣薬剤師として働いていても、有給休暇は取得できます。「週の勤務日数が5日以上」または「週の労働時間が30時間以上」のどちらかに当てはまれば、有給取得の条件をクリアしているためです。
また、労働日数や時間が少ない場合でも有給休暇は付与されます。ただし、付与日数は勤続年数や週の勤務日数によって異なるので注意しましょう。有給休暇の付与は以下のとおりです。
勤続6年半がすぎると、1年経過ごとに20日の有給休暇が付与されます。有給休暇の保持は最大40日です。そのため、それ以上の有給休暇が貯まっても利用できません。
派遣薬剤師の場合、正社員のように有給休暇を使わない人もいるかもしれませんね。しかし、有給休暇は法律で定められた労働者の権利なので、欠勤ではなく有給休暇を使っても全く問題ありません。
なお、派遣の場合は派遣会社との契約で有給休暇が発生するため、勤務先が変わっても派遣会社が変わらなければ有給休暇は引き継がれます。
派遣薬剤師が有給休暇を使う際の注意点
有給休暇は法律によって義務化されているため、就業規則に書かれていなかったとしても全ての人が利用できます。派遣会社や派遣先企業が拒否することもできないため、管理薬剤師やひとり薬剤師だとしても有給休暇を取って構いません。ここからは、派遣薬剤師が有給休暇を使う際の注意点を紹介します。
1日単位で取得するのが原則
有給休暇は1日単位で取得するのが原則となっています。しかし、最近では半日や時間で有休消化ができる派遣会社も増えてきました。派遣会社によって制度が異なるので、1日単位以外の取得を希望する場合は派遣会社に問い合わせてみましょう。
派遣契約期間中の申請が必須
派遣社員が有給休暇を申請できるのは、派遣契約期間中のみになります。派遣契約が終了すると、有給休暇を取得できなくなります。ただし、同じ派遣会社に登録しており、派遣先企業だけ変わった場合は、有給休暇を引き継ぐことが可能です。
計画的に取得する
2019年より、10日以上の有給休暇を付与された場合、有給休暇を年5日取得することが義務づけられました。対象者は、有給休暇を付与された日から1年以内に必ず5日以上は有給休暇を申請しなければなりません。有給休暇の取得を申請しない場合、派遣会社が時期を指定することもあります。年度末や退職時に慌てて有休消化をすると職場に迷惑をかけてしまう恐れがあるため、計画に有給休暇を取得するようにしましょう。
有給休暇の繰り越しは2年間
付与された有給休暇は次年度に繰り越すことができます。派遣先が変わっても、同じ派遣会社に所属していれば有給休暇は繰り越せます。ただし、労働基準法で有給休暇の期限は2年間と定められているため、2年以上の繰り越しはできません。
もらえる金額は派遣会社によって異なる
有給休暇を取得した際にもらえる金額は、派遣会社よって異なります。有給休暇取得中の賃金は、通常賃金、平均賃金、労使協定に基づく健康保険法上の標準報酬日額相当額のいずれかで計算されます。どの方法を使用するかは会社が決めます。支払い方法によってもらえる金額は変わるので、あらかじめ計算方法を確認しておくとよいでしょう。
有給休暇の買い取りは不可
基本的に、取得できなかった有給休暇を買い取ってもらうことはできません。有給休暇は労働者が休むためのものであり、お金を支給するのは本来の目的ではないためです。ただし、労働基準法を上回る日数の有給休暇が付与されており、退職時に使いきれなかった場合は買い取ってもらえるケースもあります。ただし必ず買い取ってもらえるとは限らないので注意しましょう。
休日は対象外
土日祝日に限らず、契約書で休日と定められている日は有給休暇の対象外です。
産休・育休制度を利用して子育てと仕事を両立させよう!
薬剤師派遣を行っているアプロ・ドットコムは、ご登録いただいた方とじっくり対話を行います。一人ひとりのバックグラウンドや強み、勤務時間などの希望条件などを理解することを何より大切に考えているからです。
一人ひとりを尊重し、そのうえで、それぞれの希望の働き方に沿った求人を提案します。将来的に子育てと両立しながら働きたいというご希望など、ぜひ率直にお伝えください。
アプロの薬剤師派遣では、一定の条件を満たせば有給休暇はもちろん、産前産後休業・育児休業が取得可能なので、仕事を辞めてブランクを作りたくない人にもぴったりです。もちろん、育児休業は女性だけではなく、男性も取得できます。産休・育休制度について詳しく知りたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。