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派遣の基礎知識
2025.03.26
薬剤師の派遣・単発派遣で高時給を実現!狙い目求人の探し方・選び方

- 薬剤師
- 単発バイト
- 短期バイト
- 短期派遣
- スポット派遣
せっかく働くなら、高時給の求人で効率よく稼ぎたいものです。派遣薬剤師の時給相場は2,800円~3,000円程度であり、条件によっては3,500円や4,000円になることもあります。パートの時給が2,000円前後であることを考えると、同じ時間働くなら派遣のほうが多く稼げることがわかります。
今回は派遣薬剤師として少しでも高時給で働くために、どんなポイントをチェックしたら良いのか、また気をつけるべきポイントについても紹介します。
目次
時給に差がある原因
求人を見ていると同じエリア、業態、職場によって時給が異なることに気づくでしょう。では、なぜ時給に差が生じるのでしょうか。大きく分けて3つの理由があります。
・需要と供給のバランス
業務内容が関係してくることもありますが、派遣の場合、ほとんどの求人が投薬であり、業務に大差はありません。時給に関係してくるのは、薬剤師の「需要」と「供給」のバランスです。
薬剤師が多いエリアや集まりやすい場所では、供給が豊富なため時給は下がります。たとえば、都市部、駅近くの薬局やドラッグストアなどでは、高時給求人が少ないでしょう。一方、さまざまな理由で薬剤師が集まりにくいエリアは、需要に対して供給が追いつかないため時給が高く設定されます。つまり、高時給で働きたいと思ったら、需要が供給を上回る条件や環境を選ぶことが大切です。
・即戦力が求められる
パートより派遣の時給が高いのは、即戦力が求められるためです。パートも有期雇用ですが、ある程度長めに働くことを経営者や採用担当者が想定しており、「経験が少ない場合は育てよう」と考える会社も多いようで、時給は抑え気味です。一方、薬剤師派遣は「職場が急な人手不足に陥った」「繁忙期だけ働いてほしい」など、すぐに活躍してほしい即戦力を確保したいときに募集されます。契約期間が1日~30日という極めて短い単発やスポットの派遣求人は緊急度が高いため、派遣の中でも特に高時給になりがちです。
・業務が忙しい
派遣の求人は投薬が中心とはいえ、扱う処方箋の枚数が多ければ忙しくなります。業務負担が大きい場合は、その労力に見合う必要があるため時給が高くなる傾向です。
では、具体的なケースで見てみましょう。
人手不足の調剤薬局、ドラッグストアを選ぶ
人手不足の職場は需要に対して薬剤師の人数が足りていない環境です。薬剤師は国家資格であり、薬剤師資格のない人が処方薬や第一類医薬品を扱うことはできません。2019年以降、薬剤師の監督のもと、資格がなくても調剤補助としてピッキングや請求業務などの一部業務を担当できるようになりました。しかし、錠剤の加工や薬剤の混合、投薬といった薬剤師の業務の大半は薬剤師しか行うことができません。
また、厚生労働省令により1人の薬剤師が1日に扱える処方箋は平均で40枚と決められています。これは薬剤師の仕事には注意力の持続が必要になるため、枚数を制限してミスを減らすことが目的です。つまり、経営者は一定数の薬剤師を確保する必要があり、薬剤師が不足している職場では時給を高くしてでも働いてほしいと考えるのです。
人手不足の職場は仕事が忙しいというイメージがあるかもしれませんが、派遣は投薬がメインとなるため、正社員に比べれば負担は少ないといえるでしょう。
ただ、人手不足の原因はできる範囲でチェックしておきましょう。繁忙期だから、正社員やパートが急に辞めたからといった理由なら問題ありませんが、人が定着しない職場の場合は要注意です。すぐにスタッフが辞めてしまう職場では、人間関係が悪い、管理薬剤師が厳しすぎるなど、何かしら働きにくい理由があります。
求人も頻繁に出ているため目にする機会も多いかもしれませんが、高時給だからと即決するのではなく、必ず理由を確認するクセをつけましょう。派遣の期間だけと割り切って働ける人にはおすすめの求人ともいえます。
また、最近、インバウンドのお客様が多いドラッグストアでも人手不足が続いています。外国語が得意な人は求人の内容を確認してみるとよいでしょう。
薬剤師が少ない地方の求人を選ぶ
薬剤師の充足度はエリアによって異なります。たとえば、都市部や駅に近い職場、交通の便が良いエリアは多くの人が働きたいと考えるので、薬剤師が集まりやすく、時給はそれほど高くありません。また、福岡や広島のように薬科大学が多いエリアも、卒業後にその地域で就職するケースが多く、薬剤師が充足傾向です。
一方、通いにくい職場、暑さ・寒さが厳しい地域、慢性的な人手不足に陥っているにも関わらず高齢化が進んでいる地方、離島などでは薬剤師が少ないため時給が高くなります。親の介護のために出身地に戻る必要があったとしても、派遣ならしっかりと稼ぐことができます。
派遣には社宅付きの求人もあります。冬期だけ雪の多いエリアで働き休日はウィンタースポーツを楽しむ、観光しながら働く、Uターン・Iターンの下見をするなど、楽しみながら高時給で働けるのも派遣薬剤師の魅力のひとつです。
夜間・深夜帯、土日祝日などを選ぶ
平日9時~18時の時間帯は働きたい人が多いため、時給は低くなりがちです。つまり、人が集まりにくい18時以降や土日に働けば高時給を手にできます。なお、労働基準法により午後10時以降は通常の時給の25%増しにすることと定められています。
都市部では24時間営業のドラッグストアが増えています。また、夜遅い時間や日曜日も診察しているクリニックも登場しており、その診察時間に合わせて近隣の調剤薬局も営業しています。夜遅いのが気にならない、平日に休みたい人は、夜間・深夜帯や土日祝日に働くことで、効率よく稼ぐことができるでしょう。
急募・スポット求人を選ぶ
求人票に「急募」や「スポット」といったキーワードが記載されている場合、高時給が期待できます。「急募」の場合、正社員の薬剤師が急に退職した、来週入社予定の薬剤師が内定を辞退したなど、突発的な欠員が出て職場が人手不足に陥っている状況です。応募してから実際に働き始めるまでの期間も短くなるうえ、即戦力としての活躍が求められるため時給が高くなります。
「スポット」は、薬剤師の産休・育休の期間、新婚旅行・夏休みの間といった1~2週間のみ、手術・入院などの期間、11月~4月の繁忙期など、期間限定で働く求人です。特に冬期の調剤薬局は風邪やインフルエンザの流行で患者様が増え人手不足に陥るため、スポット求人が出やすい傾向です。
また、1日から働ける単発求人もあります。期間が短くなればなるほど、即戦力が求められるため時給は高くなる傾向で、電子薬歴に対応できることが条件になっているケースもあります。
急募やスポットの求人は、パートのシフトを削られた月、急な出費が必要になった時などに活用するのもお勧めです。自分の予定と合うなら、積極的に応募してみるとよいでしょう。
・単発・スポット派遣で働くためには条件がある
2012年10月に労働者派遣法が改正され、労働契約が30日未満の短期契約派遣は禁止になりました。単発・スポット派遣は最短1日、長くても1〜2ヶ月のため、求人によってはこの条件に該当します。しかし、次の条件をひとつでも満たしていれば、単発派遣で働くことが可能です。
・学生である
・60歳以上である
・本業の年間収入額が500万円以上ある
・世帯年収が500万円以上であり、主たる生計者ではない
たとえば、500万円以上の収入がある薬剤師が、本業とかけもちしながらスポットで働く場合は問題ありません。また、夫の収入が500万円以上ある妻は単発薬剤師として働くことができます。家事や育児で忙しく、まとまった期間を働くことはできないものの、スキルを落としたくないというママ薬剤師さんにもおすすめの働き方です。
なお、本業が公務員薬剤師・管理薬剤師の場合、本業の年収が500万円以上であっても兼業が禁止されています。また、職場規定により兼業禁止になっていることがあるため、かけもちを検討する際は必ず本業の職場のルールを確認してください。
薬剤師が少ない薬局・ドラッグストアを選ぶ
ひとつの薬局・店舗に在籍する薬剤師が少ないからといって、処方監査、疑義紹介、調剤、服薬指導、薬歴管理といった薬剤師の一連の業務を省略することはできません。人数が多ければ業務を分担することができますが、少なければ1人の薬剤師が幅広い業務を行わなければなりません。また、他スタッフの休憩中などは薬局・店舗内に1人になってしまうこともあり、業務負担が大きいため高時給になります。
さらに、薬局・店舗に1人で勤務するひとり薬剤師として働く場合は、高時給が提示されます。休憩が取りにくい、患者様が集中すると大変、調剤ミスのリスクが高いなど負担が大きくなるためです。なお、法律により派遣薬剤師は管理薬剤師になることが禁じられているため、ひとり薬剤師であっても管理薬剤師にはなることはできません。
複数日、複数時間帯の勤務で時給UP
求人票に記載の時給は、交渉することが可能です。たとえば、週4日からと求人票に記載があっても「週5日働ける」「土日祝日に出社できる」「早番、遅番の両方に対応できる」など、記載の条件を超える働き方ができる場合、時給アップの可能性があります。
派遣が決まってから自分で派遣先に交渉するのではなく、求人に応募する際に派遣会社の担当者に相談してください。経験豊富な派遣会社のキャリアアドバイザーが時給アップの交渉をすることで成功率が高まります。ただ、条件面で無理をしすぎると心身のバランスを崩すことにつながりかねないので、気をつけましょう。
「処方箋が多い/枚数増加により」と記載がある
取り扱う処方箋の枚数が多いということは、患者様が多く忙しい職場であるということ。派遣社員は忙しい職場で、研修もさほど受けられずに即戦力として活躍することが求められます。負担は大きめですが、派遣は投薬がメインになるため、十分な投薬経験があれば対応できるでしょう。
派遣会社選びも重要
高時給で働くためには、求人だけでなく派遣会社選びも重要な要素です。
・高時給求人を扱っている
同じ職場でも派遣会社によって時給が異なることがあります。派遣の給与は、派遣会社が派遣先に請求する金額から諸経費を差し引いた後、派遣社員に支払われるためです。諸経費には手数料や福利厚生などの経費が含まれており、金額は派遣会社によって異なります。手数料は一般的に派遣料金の20〜30%程度です。
また、派遣は契約期間が明確です。たとえ高時給で働いていたとしても、契約が更新されなければ継続して高時給で働くことは難しくなります。高時給の求人が多い派遣会社に登録していれば、次に紹介される求人も高時給である確率が高くなります。
・単発派遣求人を扱っている派遣会社を選ぶ
薬剤師の派遣求人を扱っている派遣会社であっても、単発求人を扱っているとは限りません。扱っていたとしても、単発求人が少なければ希望の日時で働けない、すぐに埋まってしまうといった事態に陥ります。単発派遣で働きたいと思ったら、単発派遣の取扱い数が多い派遣会社に登録しましょう。
・福利厚生が充実している
同じ時給であったとしても、福利厚生が充実していたらお得に感じるもの。派遣は福利厚生に入れない、派遣の福利厚生は充実していないと思っている人が多いようですが、条件を満たせば派遣も福利厚生に加入できます。派遣社員は派遣先ではなく派遣会社の福利厚生を利用するので、充実した福利厚生を用意している派遣会社を選ぶといいでしょう。
派遣薬剤師の場合、レジャー施設やジムを割引価格で利用できるといった福利厚生だけでなく、e-ラーニングで認定薬剤師の認定を受けられる、研修が充実している、薬剤師賠償責任保険に加入できることも重要です。特に将来は正社員になりたい、キャリアアップをしていきたいと考えている人は、研修制度が充実している派遣会社を選びましょう。
・キャリアアドバイザーやコーディネーターが親身になってくれる
求人に記載の条件よりも多く働ける、過去の経験や実績が豊富にある場合などは、派遣会社が派遣先に条件面の交渉をしてくれることがあります。親身になって話を聞いてくれ、交渉してくれるキャリアアドバイザーやコーディネーターがいれば、高時給で働ける可能性が高まります。
派遣・単発派遣で働くならアプロ・ドットコム
薬剤師の転職支援に25年以上の実績があるアプロ・ドットコムでは、数多くの派遣求人を扱っています。エリアや雇用形態、施設を選択するだけで、効率的に求人を探すことができ、高額派遣(3,500円以上)、充実の教育研修など、細かい条件を設定することもできます。アプロが費用を負担して薬剤師賠償責任保険に加入できるのも、メリットのひとつです。
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