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スタッフブログ

薬剤師の仕事・働き方・キャリアに関するトピックスから、最新の薬剤師求人、派遣や単発派遣に関する法律やルールまで。薬剤師の最新事情に精通したアプロ・ドットコムのスタッフが、就職・転職に役立つ記事を配信いたします。

薬剤師の仕事・キャリア

2024.10.01

正社員転職をめざす薬剤師は押さえておきたい「5分でわかる調剤薬局・薬局・ドラッグストア業界」

二人の女性
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転職活動をスムーズに進めるために、業界や企業研究は必須といえるでしょう。環境が変わりつつある薬剤師業界で正社員をめざすなら、将来的なキャリアプランのためにも業界の動向は把握しておきたいところです。

今回は、業界全般、さらに調剤薬局、ドラッグストアそれぞれの市場規模やマーケット動向に加え、最新のトピックスを紹介します。転職活動における企業研究の参考にしてください。

業界全般の概要

薬局業界では、医療費削減政策の影響を受けて収益性の低下が課題となっています。後発医薬品(ジェネリック医薬品)の普及推進や薬価改定による薬価の引き下げにより、薬価差益が見込みにくくなっているためです。また、経営者の高齢化と後継者不足も深刻な問題となっており、廃業や第三者への売却を検討する薬局も増えているのが現状です。

一方で、オンライン服薬指導・電子処方箋の活用などの「薬局DXの促進」「在宅医療への参入」「 健康サポート薬局としての機能強化」「地域包括ケアシステムへの参画」、リモート薬剤師の採用などの「薬剤師の働き方改革」など、さまざまな新しい試みが行われています。

特に薬局DXは重要なトレンドとなっており、ITツールやデジタル技術を活用して業務効率化を図る動きが活発化しています。オンライン服薬指導が導入されたことでリモート薬剤師の採用も可能になり、地方における薬剤師不足の解消にも寄与することが期待されています。

調剤薬局

出店するだけで儲かる、といわれていた時代もあった調剤薬局。調剤併設ドラッグストアが増えていることもあり、現在では規模が小さくなるほど経営が厳しくなっています。

・市場規模

調剤薬局の市場規模は、令和5年度の調剤医療費(電算処理分)によると8兆2,678億円で、前年度比+5.5%となっています。ただし、これは調剤併設のドラッグストアの増加によるところも大きいようです。処方箋1枚当たりの調剤医療費は9,343円で、前年と比べるとマイナス0.5%となっています。

・マーケット動向

調剤併設ドラッグストアと合わせると年々増加しており、コンビニエンスストアの数よりも多いといわれています。従来の「門前薬局」に加え、患者様が利用しやすい住宅地や駅などに店舗を構える「面対応薬局」も増加しています。

ただ調剤薬局自体は飽和状態にあり、今後の大きな拡大は見込みにくい状況です。大手チェーン薬局によるM&Aが活発化しており、中小規模の薬局の再編が進んでいます。

・最新のトピックス

1. 地方郊外における薬剤師不足の深刻化

2. 調剤報酬改定による対人業務へのシフト

3. 在宅医療・在宅訪問の需要増大

4. オンライン服薬指導の導入

5. 健康サポート薬局や機能別薬局(地域連携薬局、専門医療機関連携薬局)の認定制度

特に、対人業務へのシフトは重要なトレンドです。令和4年の調剤報酬改定で、対物業務から対人業務への転換が強く推進されています。今後も、継続的な服薬指導や処方医へのフィードバックなど、患者様とのコミュニケーションがより重視される見通しです。

ドラッグストア

調剤分野への積極的な取り組みが目立つドラッグストア業界。新規出店やリニューアルも活発で、国内市場は右肩上がりです。大手チェーンでは、アジア圏への進出も行われています。

・市場規模

市場規模は拡大傾向にあります。経済産業省の商業動態統計調査によると、令和5年の販売額は約8兆3,438億円で、令和4年と比較すると108.2%の増加率となりました。食品売上は、前年比12.3%増の約2兆6,870億円と堅調に推移しています。

・マーケット動向

ドラッグストア業界では、大手チェーンによる寡占化が進んでいます。従来のドミナント戦略(特定地域への集中出店)に加え、M&Aによる規模拡大や異業種との連携も活発化しています。また、調剤併設型ドラッグストアの増加も特徴的です。令和3年度には、ドラッグストアの調剤額が約1兆1,738億円に達し、全体の約16%を占めるまでに成長しています。

・最新のトピックス

1. 大手チェーンによるM&Aの活発化

2. 異業種からの参入(Amazonなど)

3. オンライン診療・服薬指導の需要増加

4. 健康サポート機能の強化

5. プライベートブランド商品の拡充

特に注目したいのは、オンライン診療・服薬指導の需要増加。デジタル化の進展に伴い、ドラッグストア業界でもEコマースの重要性が高まっています。ある調査によると、OTC医薬品のEC市場規模は年間平均成長率9.5%での拡大が見込まれています。

薬剤師にも求められる業界変革の波に対応できるスキル

薬剤師は従来の調剤業務に加え、患者様とのコミュニケーション力や健康サポートへの対応、デジタル技術への適応力が求められる時代になりつつあります。また、在宅医療や地域包括ケアシステムへの参画など、地域医療への貢献がより重要視されるようになってきています。

これからの薬剤師は、調剤スキルなど従来からの薬剤師としてのスキルに加え、対人業務のスキルアップやデジタル技術への理解を深めることで、変化する業界ニーズに対応できる人材として活躍することができるでしょう。

正社員で働くなら最新動向をよく知るキャリアアドバイザーに相談を

薬剤師業界に特化した25年以上の実績があるアプロ・ドットコム。調剤薬局やドラッグストアの現状に詳しいキャリアアドバイザーに相談すれば、個別企業の最新動向も押さえることができます。先々のキャリアプランを考えたい方、薬剤師としてキャリアアップしたい方は、ぜひご相談ください。